[mathjax]
複素関数1 微分 三角関数 指数対数関数
複素数における微分、三角関数、指数関数、対数関数の性質のまとめです。
実数の場合とはかなり異なる性質も多くあります。
※複素関数の一覧はこちら

微分
\(f(z)=u(x,y)+iv(x,y)\)において
点\(z_{0}\)で微分可能 ⇔ \(u,v\)が\((x_{0},y_{0})\)で全微分可能かつ\(\displaystyle\frac{\partial u}{\partial x}=\displaystyle\frac{\partial v}{\partial y}\)、\(\displaystyle\frac{\partial u}{\partial y}=-\displaystyle\frac{\partial v}{\partial x}\)
この式をコーシー・リーマン方程式という。
全ての点で微分可能なとき、\(f(z)\)は正則であるという。
例題
正則関数\(f(z)=u(x,y)+iv(x,y)\)において、\(u(x,y)=x^2-y^2\)のとき調和関数となっていることを確認して、\(f(z)\)を求める。
※以下、下付きはその文字で偏微分している。
\(u_{x}=2x\)、\(u_{y}=-2y\)、\(u_{xx}=2\)、\(u_{yy}=-2\)
\(u_{xx}+u{yy}=0\) より調和関数。
\(f(z)\)は正則よりコーシー・リーマンの関係を満たす。
\(u_{x}=2x=v_{y}\)、\(u_{y}=2y=-v_{x}\)
\(v=2xy+f(x)\)、\(v=2xy+f(y)\) となる。
これより\(f(x)=f(y)=c\)(cは実定数)
\(v(x,y)=2xy+c\)
\(f(z)=u(x,y)+iv(x,y)=x^2-y^2+i(2xy+c)\)
\(=z^2+ic\)
三角関数、指数関数
複素数では三角関数と指数関数は密接に関係してきます。
定義 \(e^z=e^{x+yi}=e^x(\cos y+i\sin y)\)
\(e^{z+2n\pi i} =e^z e^{2n\pi i}=e^z (\cos 2n\pi+\sin 2n\pi)=e^z\)
つまり、\(e^z\) は周期 \(2n\pi i\)の周期関数。
対数関数
定義 \(z=e^w\) となる\(w\) を \(w=\log z\) と定義する。
\(e^z\) の周期性から \(e^{w+2n\pi i}=e^w=z\)
\(w+2n\pi i\)も解となる。\(w=\log z\)の値は一つには定まらず、無限にある。
ここで\(-\pi<Im(w)<\pi\) を満たすものを \(Log z\)と書くとこれは一意に決まり、対数の主値という。