複素関数2 積分

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複素関数2 積分

複素数の積分はコーシーの積分定理をはじめ、大事な性質が多くあります。

 

※複素関数の一覧はこちら

複素関数の解説と問題の一覧ページ。問題の方は基本レベルから応用、発展まで20問ほどありますので、ぜひ挑戦してみてください。複素積分問題は複素数の性質を利用して実関数積分を解くというものです。

 

 

線積分

複素関数の線積分の定義

\(S=\displaystyle\sum_{k=1}^{n} f(t_{k})\Delta z_{k}\)

※ある点での関数値に極小の長さをかけて足し合わせる。

 

\(\Delta\)を0にしたときの極限値を\(\displaystyle\int_{C} f(z)dz\) とかく。

 

具体的な計算式は \(\displaystyle\int_{C}f(z)dz=\displaystyle\int_{a}^{b}f(z(t))\cdot\displaystyle\frac{dz}{dt}\cdot dt\)

 

例題

\(f(z)=z^2\) で、\(z=t+ti\) (\(0 \leq t \leq 1\))に沿った線積分の値を求めよ。

 

\(\displaystyle\frac{dz}{dt}=1+i\)

\(f(z(t))=f(t+ti)=(t+ti)^2\)

 

\(\displaystyle\int_{0}^{1} f(z(t))\cdot\displaystyle\frac{dz}{dt}\cdot dt\)\(=\displaystyle\int_{0}^{1} (t+ti)^2\cdot(1+i)dt\)

 

\(=(1+i)^3 \displaystyle\int_{0}^{1} t^2 dt\)

 

\(=\displaystyle\frac{(1+i)^3}{3}\)

 

コーシーの積分定理

 

\(f(z)\)は\(D\)で正則とする。\(D\)に含まれる単一閉曲線を\(C\)とすると

 

\(\displaystyle\int_{C} f(z)dz=0\)  が成立する。

 ※逆も成立し、モレラの定理と呼ばれる。

 

例  \(\displaystyle\int_{C} \displaystyle\frac{z^3}{z-3} dz=0\) \(C=(z|  |z|=1)\)

 

コーシーの積分公式

 

 

\(f(z)\)は\(D\)で正則とする。\(D\)に含まれる単一閉曲線を\(C\)とするとき

 

\(f(\alpha)=\displaystyle\frac{1}{2\pi i}\displaystyle\int_{C}\displaystyle\frac{f(z)}{z-\alpha}dz\) が成立。\(\alpha\) は\(C\)内部。

 

変形すると \(\displaystyle\int_{C}\displaystyle\frac{f(z)}{z-\alpha}dz=2\pi if(\alpha)\) となる。以下の例題で使っていく。

 

※ \(n\)次の場合は以下のようになる。

\(f^{(n)}(\alpha)=\displaystyle\frac{n!}{2\pi i}\displaystyle\int_{C}\displaystyle\frac{f(z)}{(z-\alpha)^{n+1}}dz\)   

 

例題1

\(C=(z|  |z|=2)\) ※複素平面で原点中心半径2の円。

 

\(\displaystyle\int_{C}\displaystyle\frac{e^z}{z-1}dz=2\pi ie\)

 

\(f(z)=e^z\) 、\(\alpha=1\)とした。

 

例題2

\(C=(z|  |z|=2)\) ※複素平面で原点中心半径2の円。

 

\(\displaystyle\int_{C}\displaystyle\frac{e^z}{z(z-3)}dz=-\displaystyle\frac{2\pi i}{3}\)

 

\(f(z)=\displaystyle\frac{e^z}{z-3}\) 、\(\alpha=0\)とした。(z=0のみ内部にある。z=3は外部)

 

例題3

\(C=(z|  |z|=2)\) ※複素平面で原点中心半径2の円。

 

\(\displaystyle\int_{C}\displaystyle\frac{e^z}{z-3}dz=0\)

 

経路内部が正則なのでコーシーの積分定理より\(0\)。

 

例題4

\(C=z|  |z|=2\) ※複素平面で原点中心半径2の円。

 

\(\displaystyle\int_{C}\displaystyle\frac{e^z}{(z-1)^2}dz=2\pi ie\)

 

n次の公式で、\(f(z)=e^z\) 、\(\alpha=1\)、\(n=1\)とした。

 

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