複素関数6 テイラー展開、ローラン展開

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テイラー展開、ローラン展開

 

 

特異点

正則ではない点のことを特異点という。

 

孤立特異点

一点だけで正則でないような点。(その点の周りでは正則。)

 

①除去可能な特異点

\(\displaystyle\lim_{z\to \alpha}f(z)\)が存在。

 

②極

\((z-\alpha)^n\)をかけることで除去できる特異点。

 

③真性特異点

極限値を持たない特異点。

 

 

テイラー展開とローラン展開

両方とも、ある点まわりの関数の展開となります。

 

テイラー展開正則な点(近傍も正則)

ローラン展開特異点(周りは正則だが、その点は非正則)

まわりの展開。

 

\(f(z)=\displaystyle\frac{1}{(z-\alpha)^2}\)という関数は\(\alpha\)では特異点となっていて、テイラー展開はできません。

ここで、テイラー展開を負領域まで拡張して、テイラー展開のような展開をしたものがローラン展開です。

 

テイラー展開

 \(f(z)=f(a)+\displaystyle\frac{f'(a)}{1!}(z-a)+\displaystyle\frac{f”(a)}{2!}(z-a)^2+\displaystyle\frac{f”'(a)}{3!}(z-a)^3+\cdots\)

 

ローラン展開

\(f(z)=\biggl[\cdots+\displaystyle\frac{a_{-2}}{z^2}+\displaystyle\frac{a_{-1}}{z}\biggr]+\biggl[a_{0}+a_{1}z+a_{2}z^2+\cdots\biggr]\)

 

前のカッコ内のことをローラン展開の主部という。

主部は特異点に関する部分で、もし、展開する点が特異点でなければ主部が0となり、テイラー展開となる。 

 

例題

次の関数をローラン展開してください。 

 

1番

\(f(z)=ze^{\frac{1}{z}}\)   (\(z=0\)で)

 

2番

\(f(z)=\displaystyle\frac{1}{z-z^2}\)   (\(z=0\)で)

 

 

解答

1番

\(f(z)=ze^{\frac{1}{z}}\) 。\(z=0\)まわり。

 

\(e^x\)のマクローリン展開より

 

\(e^{\frac{1}{z}}=1+\displaystyle\frac{1}{z}+\displaystyle\frac{1}{2!z^2}+\displaystyle\frac{1}{3!z^3}+\cdots\)   

 

両辺に\(z\)をかけると

\(ze^{\frac{1}{z}}=z+1+\displaystyle\frac{1}{2!z}+\displaystyle\frac{1}{3!z^2}+\cdots\) 

これが答えとなる。

 

2番

\(f(z)=\displaystyle\frac{1}{z-z^2}\) 。 \(z=0\)まわり。

 

\(f(z)=\displaystyle\frac{1}{z-z^2}=\displaystyle\frac{1}{z(1-z)}=\displaystyle\frac{1}{z}(1+z+z^2+z^3+\cdots)\)

 

\(=\displaystyle\frac{1}{z}+1+z+z^2+z^3+\cdots\)

 

 ちなみに、2番は、\(z=0\)だけでなく、\(z=1\)も特異点なので、このまわりでもローラン展開できる。

 

\(f(z)=\displaystyle\frac{1}{(1-z)[1-(1-z)]}\)

 

\(=\displaystyle\frac{1}{1-z}\biggl(1+(1-z)+(1-z)^2+(1-z)^3+\cdots\biggr)\)

 

\(=-\displaystyle\frac{1}{z-1}+1-(z-1)+(z-1)^2-(z-1)^3 +\cdots\)

 

 

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