二階線形非同次微分方程式

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目次

内容

定数係数二階非同次線形微分方程式は、次の形で表されます。

$y^{\prime \prime}+ay^{\prime}+by=Q(x)$

答えは、(同次形の解)+(特殊解)で表されます。

 

同次解

答えは、同次形の解と特殊解の和で表されるので、まずは  \(y^{\prime \prime}+ay^{\prime}+by=0\) の同次形の方程式を解きます。同次形の解き方は下の記事にまとめています。

定数係数二階線形同次微分方程式
定数係数二階線形同次微分方程式定数が係数の二階の線形微分方程式です。同次形なので、右辺が\(0\)です。 解法定数係数二階線形微分方程式とは\(y^{\prime \prime}+ay^{\prime}+by=0\)  の形のもの。 \(y

 

特殊解

 

\(Q(x)\)が多項式のとき

\(Q(x)\)と同じ次数を仮定する。\(y=cx+d\)など。

 

\(Q(x)\)が指数関数のとき

\(Q(x)=Ae^{\alpha x}\) と書けるとき \(y=ce^{\alpha x}\) とおく。

\(\alpha\)が同次形の解を求める時の特性方程式の解と1つ被っていたら \(y=cx e^{\alpha x}\) 

\(\alpha\)が同次形の解を求める時の特性方程式の重解となっていたら \(y=cx^2 e^{\alpha x}\) 

 

\(Q(x)\)が三角関数のとき

\(Q(x)=a\cos mx+b\sin mx\) と書けるとき \(y=D\cos mx+E\sin mx\)  とおく。

うまくいかないときは、\(y=x(D\cos mx+E\sin mx)\)  などとおく。

 

特殊解の一般形

独立な特解を$y_{1}$、$y_{2}$としたとき

$-y_{1}\displaystyle\int\displaystyle\frac{Ry_{2}}{y_{1}y_{2}^{\prime}-y_{1}^{\prime}y_{2}}dx+y_{2}\displaystyle\int\displaystyle\frac{Ry_{1}}{y_{1}y_{2}^{\prime}-y_{1}^{\prime}y_{2}}dx$

 

★証明

$y=c_{1}y_{1}+c_{2}y_{2}$で、$c_{1}^{\prime}y_{1}+c_{2}^{\prime}y_{2}=0 \cdots ①$を要請する。

$y^{\prime}$と$y^{\prime\prime}$を求めて微分方程式に代入して整理すると

$c_{1}^{\prime}y_{1}^{\prime}+c_{2}^{\prime}y_{2}^{\prime}=R \cdots ②$

①②から

$c_{1}=-\displaystyle\int\displaystyle\frac{Ry_{2}}{y_{1}y_{2}^{\prime}-y_{1}^{\prime}y_{2}}dx$

$c_{2}=-\displaystyle\int\displaystyle\frac{Ry_{1}}{y_{1}y_{2}^{\prime}-y_{1}^{\prime}y_{2}}dx$

これを$y=c_{1}y_{1}+c_{2}y_{2}$に代入して結果を得ます。

 

 

例題

問題

1番 

\(y^{\prime \prime}-4y^{\prime}+3y=x^2+x\)

 

2番

\(y^{\prime \prime}-y^{\prime}-2y=e^{3x}\)

 

3番

\(y^{\prime \prime}-4y^{\prime}+4y=\sin x\)

 

 

 

解答

1番

同次形の解は \(y=C_{1}e^x+C_{2}e^{3x}\)  になります。

特殊解を求めるにあたり、右辺が二次式なので\(y=ax^2+bx+c\)とおいて計算すると特殊解は以下のようになる。

\(y=\displaystyle\frac{1}{3}x^2+\displaystyle\frac{11}{9}x+\displaystyle\frac{38}{27}\)

よって、これらの和が答えとなる。

\(y=C_{1}e^x+C_{2}e^{3x}+\displaystyle\frac{1}{3}x^2+\displaystyle\frac{11}{9}x+\displaystyle\frac{38}{27}\)

 

2番

同次形の解は \(y=C_{1}e^{-x}+C_{2}e^{2x}\)になります。

特殊解を求めるにあたり、右辺は指数関数なので、\(y=A e^{3x}\) とおいて計算すると特殊解は \(y=\displaystyle\frac{1}{4} e^{3x}\) となる。

\(y=C_{1}e^{-x}+C_{2}e^{2x}+\displaystyle\frac{1}{4} e^{3x}\)

 

3番

同次形の解は \(y=(C_{1}x+C_{2})e^{2x}\)になります。

特殊解を求めるにあたり、右辺は三角関数なので \(y=a\sin x+b\cos x\) とおいて計算すると \(y=\displaystyle\frac{3}{25}\sin x+\displaystyle\frac{4}{25}\cos x\) 

\(y=(C_{1}x+C_{2})e^{2x}+\displaystyle\frac{3}{25}\sin x+\displaystyle\frac{4}{25}\cos x\) 

 

 

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