無限回バウンド、衝突

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目次

無限回バウンドでの総距離、時間

物理の力学の問題です。

 

問題

高さ\(h\) から反発係数\(e\) の床にボールを落とした時、ボールの総移動距離、所要時間はそれぞれいくら?(\(e\neq 1\))

 

解答

総移動距離

跳ね返る直前の速さを\(v\) とすると、力学的エネルギー保存則より

\(mgh=\displaystyle\frac{1}{2}mv^2\)

 

これを解くと、\(v=\sqrt {2gh}\)

 

反発係数とは跳ね返りの速度比なので跳ね返り直後の速さは、\(e\sqrt {2gh}\)となっている。

 

ここから、再び最高点(\(=H\)とおく)に達するまでで力学的エネルギー保存則を使うと

 

\(\displaystyle\frac{1}{2}m(e\sqrt{2gh})^2=mgH\)

\(H=he^2\) となる。つまり、最高点の高さは\(e^2\)倍になっていく。

 

よって総距離は

\(h+2(he^2+he^4+he^6+he^8+\cdots)=h+2h(e^2+e^4+e^6+e^8+\cdots)\) 

\(=h+2h\cdot \displaystyle\frac{e^2}{1-e^2}\)\(\displaystyle\frac{1+e^2}{1-e^2}h\) 

 

手に持っていたボールを\(1m\)の高さから落としたとする。反発係数を\(0.8\)とすると

\(\displaystyle\frac{1+0.8^2}{1-0.8^2}\simeq 4.6m\) 

 

所要時間

高さ\(h\)から落下するとき、かかる時間(\(=t\)とおく)は\(h=\displaystyle\frac{1}{2}gt^2\) より

\(t=\sqrt{\displaystyle\frac{2h}{g}}\)

高さ\(e^2h\)から落下するとき、かかる時間(\(=T\)とおく)は\(e^2h=\displaystyle\frac{1}{2}gT^2\) より

\(T=e\sqrt{\displaystyle\frac{2h}{g}}\)

 

つまり、かかる時間は\(e\)倍ずつになっていってるので、総所要時間は次のようになる。

\(\sqrt{\displaystyle\frac{2h}{g}}+2\biggl(e\sqrt{\displaystyle\frac{2h}{g}}+e^2\sqrt{\displaystyle\frac{2h}{g}}+e^3\sqrt{\displaystyle\frac{2h}{g}}+\cdots \biggr)\)

\(=\sqrt{\displaystyle\frac{2h}{g}}(1+2e+2e^2+2e^3\cdots )\)

\(=\sqrt{\displaystyle\frac{2h}{g}}\biggl(1+\displaystyle\frac{2e}{1-e}\biggr)\)

\(=\displaystyle\frac{1+e}{1-e}\sqrt{\displaystyle\frac{2h}{g}}\) 

 

手に持っていたボールを\(1m\)の高さから落としたとする。反発係数を\(0.8\)とすると

\(\displaystyle\frac{1+0.8}{1-0.8}\sqrt{\displaystyle\frac{2}{9.8}}=\displaystyle\frac{9\sqrt 10}{7}\simeq 4(s)\) 

 

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