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定数係数二階線形同次微分方程式
定数が係数の二階の線形微分方程式です。同次形なので、右辺が\(0\)です。
解法
定数係数二階線形微分方程式とは\(y^{\prime \prime}+ay^{\prime}+by=0\) の形のもの。
\(y=e^{tx}\)の形を解に仮定する(微分しても\(e^x\)部分は不変なのでそこの発想から)と
\((t^2+at+b)e^{tx}=0\) なので \(t^2+at+b=0\)
この方程式(特性方程式)の分類する。
二解を持つ
異なる2つの実数解をもつ場合です。
\(t=\alpha,\beta\) とおくと、\(y= e^{\alpha x} , e^{\beta x}\)が解。これらは一次独立なので、解を合わせると
\(y=C_{1}e^{\alpha x}+C_{2}e^{\beta x}\)
代入すると実際、解になっていることがわかる。
重解を持つ
\(t=\alpha\) とおく。\(y= e^{\alpha x}\)が解。これでは足りない。
ここで \(y=xe^{\alpha x}\) とおくとこれは方程式を満たす。
(解の形を \(f(x)e^{\alpha x}\) と書き、計算すると \(f(x)\) としてこのような形のものが適する。)
よって、解は \(y= e^{\alpha x}\) と \(y= e^{\alpha x}\) の線形結合なので
\(y=(C_{1}x+C_{2})e^{\alpha x}\)
虚数解2つ持つ
\(y\)が複素数(\(=c+di\))のとき、
\(y”+py’+qy=c”+pc’+qc+i(d”+pd’+qd)=0\) から、\(c\)と\(d\)は二階微分方程式の解。
今、解の形は虚数解なので、\(y=e^{(\alpha+i\beta)}x\) を解に持つ。
\(y=e^{(\alpha+i\beta)}x=e^{\alpha x}e^{i\beta x}=e^{\alpha x}\cos \beta x+ie^{\alpha x}\sin \beta x\)
\(y=c+di\)と比べると
\(c= e^{\alpha x}\cos \beta x\)、\(d=e^{\alpha x}\sin \beta x\) が得られる。
\(c\)と\(d\)は二階微分方程式の解。\(e^{\alpha x}\cos \beta x\)と\(e^{\alpha x}\sin \beta x\) は二階微分方程式の解。
これらから、一般解は次のようになる。
\(y=e^{ax}(C_{1}\cos bx+C_{2}\sin bx)\)
例題
1番
\(y^{\prime \prime}-4y^{\prime}+4y=0\)
2番
\(y^{\prime \prime}+4y^{\prime}+13y=0\)
解答
1番
\(e^{tx}\)を解に仮定して解くと\(t^2-4t+4=0\) 。\(t=2\)なので、\(e^{2x}\)
ここで \(xe^{2x}\) も解なので答えは
\(y=(C_{1}x+C_{2})e^{2x}\)
2番
\(e^{tx}\)を解に仮定して解くと\(t^2+4t+13=0\)
\(t=-2\pm 3i\)となるので解は\(e^{(-2\pm 3i)x}\)。これの線形結合。
\(y=Ae^{(-2+3i)x}+Be^{(-2-3i)x}=Ae^{-2x}e^{3ix}+Be^{-2x}e^{3ix}\)
\(=e^{-2x}(A\cos3x+iA\sin 3x+B\cos 3x-iB\sin 3x)\)
\(=e^{-2x}((A+B)\cos 3x+i(A-B)\sin 3x)\)
\(y=e^{-2x}(C_{1}\cos 3x+C_{2}\sin 3x)\)