目次
変数設定
\(\mu\) \(\cdots\) 平均点
\(s\)および\(\sigma\) \(\cdots\) 標準偏差
\(s^2\) \(\cdots\) 分散
偏差値計算
$$偏差値=\displaystyle\frac{得点-平均点}{標準偏差}\times 10+50$$
得点は偏差値を知りたい人の得点、平均点はそのまま平均点です。
標準偏差は以下で解説します。
標準偏差
標準偏差はデータのばらつく具合を表します。
$$\sigma=\sqrt{\displaystyle\frac{1}{n}\displaystyle\sum_{i=1}^{n}(x_{i}-\mu)^2}$$
\(\sigma\)は標準偏差。\(n\)は人数。\(x_{i}\)は\(i\)番目の人の点数。\(\mu\)は平均点。
「偏差の二乗の平均値(=分散)」の正の平方根が標準偏差。
具体例
5人でテストを行い、点数が40点、40点、50点、70点、100点だったとする。
平均点は \(\mu=60\)
分散は $s^2=\displaystyle\frac{1}{5}\biggl[(40-60)^2+(40-60)^2+(50-60)^2+(70-60)^2+(100-60)^2\biggr]=520$
標準偏差は \(s=\sqrt{520}\simeq 22.8\)
ここで例えば100点の人の偏差値を求める。
\(\displaystyle\frac{100-60}{22.8}\times 10 +50\simeq 67.54\)
50点の人の偏差値は
\(\displaystyle\frac{50-60}{22.8}\times 10 +50\simeq 45.6\)
といった具合に偏差値が計算できる。
極端な例
100人いる学年でテストをして自分だけ100点で他の人が全員0点だった場合の偏差値を求めてみましょう。
平均点 \(\mu=1\)
標準偏差 \(\sigma=\sqrt{\displaystyle\frac{1}{100}[(100-1)^2+99]}=\sqrt 99\)
偏差値は \(\displaystyle\frac{100-1}{\sqrt 99}\times 10+50\simeq 149.5\)
無事、偏差値\(149.5\)を叩き出すことに成功しました。
\(n\)人が受けて一人だけ0点の場合。
このような悲しい場合を考えてみます。\((n-1)\)人が100点、\(1\)人が0点。
平均点は \(\mu=\displaystyle\frac{100(n-1)}{n}\)
標準偏差 \(\sigma=\sqrt{\displaystyle\frac{1}{n}\biggl[(100-a)^2\times (n-1)+(0-a)^2\biggr]}=\displaystyle\frac{100}{n}\sqrt{n-1}\)
偏差値は \(\displaystyle\frac{0-\displaystyle\frac{n-1}{n}\times 100}{\displaystyle\frac{100}{n}\sqrt{n-1}}\times 10+50\)\(=50-10\sqrt{n-1}\)
\(n=26\)で偏差値が0になる。26人以上では負の偏差値が存在する。
逆に25人以下では負の偏差値は出ない。25人以下では偏差値3桁も出ない。
意味
もう一度、冒頭の式を書きます。
偏差値=\(\displaystyle\frac{得点-平均点}{標準偏差}\) \(\times 10+50\)
平均点だと偏差値は50になると知っていると思いますが、これは(得点-平均点)が0になるためです。
得点と平均点の差が標準偏差一つ分ずれると偏差値は10あがる(さがる)。2つ分ずれると20あがる(さがる)。
高偏差値を出すには標準偏差を小さく(ばらつくを小さく)、得点と平均点差を大きく(高得点取る)必要がある。