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目次
定義
以下の計算で使うので先に書いておきます。
$r$:地球と物体の距離
$G$:万有引力定数
$M$:地球の質量
$m$:物体の質量
第一宇宙速度
第一宇宙速度とは、地球の円軌道に乗るために必要な速度。第一宇宙速度より大きい速度であれば、地球の周りを衛星のように地球に落ちることなく回る。
計算
遠心力と重力(万有引力)のつりあいの式を立てる。
$m\displaystyle\frac{v^2}{r}=G\displaystyle\frac{Mm}{r^2}$
これを解くと、$v=\sqrt{\displaystyle\frac{GM}{r}}$
具体的に地表での値を代入すると、$v\simeq 7.9 (km/s)$となる。
第二宇宙速度
第二宇宙速度とは、地球の重力から脱出するために必要な速度。
計算
重力による位置エネルギーと脱出するための運動エネルギーが等しいとして計算する。
$\displaystyle\frac{1}{2}mv^2-G\displaystyle\frac{Mm}{r}=0$
これを解くと、$v=\sqrt{\displaystyle\frac{2GM}{r}}$
具体的に値を代入すると、$v\simeq 11.2 (km/s)$となる。
第三宇宙速度
第三宇宙速度とは、太陽系を脱出するために必要な速度。
計算
太陽の公転軌道から脱出するには上と同様の考えで$v_{E}$が必要。($R$は地球太陽間の公転距離、$M_{s}$は太陽質量)
$v_{s}=\sqrt{\displaystyle\frac{2GM_{s}}{R}}$
地球の公転速度を差し引く必要があるのでそれを求めると(つり合いから求める)
$v_{E}=\sqrt{\displaystyle\frac{GM_{s}}{R}}$
よって相対速度は、$V=v_{s}-v_{E}$
$\displaystyle\frac{1}{2}mv^2-G\displaystyle\frac{Mm}{r}=\displaystyle\frac{1}{2}mV^2$
$v=\sqrt{\displaystyle\frac{2GM}{r}+\biggl(\sqrt{\displaystyle\frac{2GM_{s}}{R}}-\sqrt{\displaystyle\frac{GM_{s}}{R}}\biggr)^2}$である。
具体的に値を代入すると、$v\simeq 16.7 (km/s)$となる。