散乱粒子$d$と散乱波$\lambda$を考え、$\alpha=\displaystyle\frac{\pi d}{\lambda}$を作った際に、$\alpha << 1$でレイリー散乱、$\alpha \simeq 1$でミー散乱になる。
入射前後で波長が変化しないものを弾性散乱、変化するものを非弾性散乱という。
目次
レイリー散乱
レイリー散乱とは、光が「光の波長よりも小さい物質中」へ入射した際に起こる散乱。
レイリー散乱での散乱光の強度は波長の4乗に反比例する。
$I\propto \displaystyle\frac{1}{\lambda^4}$
なお、散乱で光の波長はほとんど変化しない弾性散乱。
青空
地球の空は青いのはこのレイリー散乱のため。(空には無色透明の空気しかないので、散乱がなかったら空は暗く見えているはず)
太陽からの光が大気中の酸素や窒素分子と反応して太陽光が散乱される。
波長が短い青色に近いほどレイリー散乱が起こりやすいため青空になる。
紫にならないのは、紫は空の上の方で散らばってしまうため。
青と赤を比較すると、波長がおよそ2倍違うので、散乱強度は16倍異なる。
また、太陽に近い方が散乱が強くなる(θ依存しているから、)
90度離れると散乱は小さくなる。ので、濃い青になる。
夕焼け
夕方になると日が傾き、太陽光が大気中を通る距離が長くなる。レイリー散乱が起こる回数は多くなる。
ミー散乱
入射波長と散乱体の大きさが同程度の場合はミー散乱となる。チンダル現象もミー散乱の一つ。
雲が白い
全ての波長で同程度の散乱がおこるので、白く見える。雲の水滴や氷の大きさと光の波長が同程度になるのでミー散乱が起こる。
トムソン散乱(おまけ)
電磁波が入射して散乱体である自由電子との散乱のことで、波長は反応前後で変化しない弾性散乱。
$\displaystyle\frac{d\sigma}{d\Omega}=\left(\displaystyle\frac{q^2}{4\pi\varepsilon mc^2}\right)^2 \displaystyle\frac{1}{2}(1+\cos^2 \theta)$